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(1) 任意整理とは

  • 任意整理とはどのような手続ですか

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  • 任意整理とは
    任意整理とは、裁判所の外で行われ、第三者の介在を前提とせずに、債務者と債権者の話合いによる、任意の合意に基づいてなされる倒産処理を広く指すものです。実際の倒産事件の大半は、法的倒産手続ではなく、この任意整理によって処理がされているようです。それは、すべての倒産事件を法的手続によって処理することは不可能ですし、また、法的倒産手続は、簡易化ないし合理化が図られてきていますが、それでも費用、時間、手間のかかる複雑な手続であることは否定できないからです。
  • 任意整理のメリット
    (1) 任意整理の利点としては、まず、簡易性があります。法的倒産手続は、裁判所における様々な手続を踏まねばならず、また、裁判所や管財人など手続機関の関与を必要とするため、複雑なものにならざるを得ませんが、任意整理はすべて関係者の合意によって処理されるため、簡易な手続とすることが可能となります。
    (2) また、廉価性もメリットとしてあげられます。法的手続では、特に管財人等の機関の報酬が最低限必要となり、それだけで相当の出費になります。これに対し任意整理では、手続は債権者が主導し、債権者委員会の委員長等も報酬を求めないのが一般的とされます。したがって、手続運営の費用はかなり低減することができます。
    (3) 次に、迅速性も重要なメリットです。法的倒産手続においては、手続の公正に配慮するため、どうしても一定の時間がかかりますが、関係者の合意に基づく任意整理ではそのような手続を大胆に省略・回避することができます。
    (4) さらに、秘密保持性もメリットの一つといえます。倒産の事実は債務者にとって最も知られたくない事実であり、特に債務者が再建を目指す場合には、倒産の情報が流れることにより再建にとって致命的となることもあります。さらに、債権者にとっても、その大口取引先の倒産は、その信用を損ねる要素となりうるため、秘密としておきたい情報です。しかし、債務者が法的倒産手続の開始を申し立てると、その事実を隠し通すことは不可能です。これに対し、任意整理では、債務者・債権者等の関係者が秘密を保持することが可能です。
  • 任意整理のデメリット
    (1) 任意整理の最大のデメリットが、手続の不透明性です。任意整理については法律で定められた手続がなく、また、債務者の財務情報など必要かつ適正な情報の開示がされる保障もありません。不適当な人が手続を主宰すれば、極めて不透明で関係者のすべてに不満が残るような処理になりがちです。整理屋と呼ばれる人が個人的利益獲得の手段として任意整理を利用することもあります。
    (2) また、手続の不公平性も任意整理のデメリットの一つといえます。法的倒産手続においては、債権調査・確定の手続や管財人による配当手続、また、再生計画の決議・認可の手続が設けられており、裁判所による一定の監督もなされます。これに対し、任意整理においてはこのような手続保障は一切存在しません。そのため、任意整理の主宰者が債権者全体の利益ではなく自己または特定の第三者の利益を図るために行動しても、他の債権者はそのような事情を知らないまま、あいまいのうちに倒産処理が終了してしまうことも多いようです。